試読

第一章　－理論篇－

・太極拳の究極の練習方法・真実・

其の一、

太極拳とは何か

太極拳とは武道である。その本来の顔は実戦に用いるものであり、命を懸けて戦う残酷な戦場から生まれたものである。闘いに中途半端な技で臨めば負傷し、或いは命を奪われる可能性もある。だからこそ武道には身を守るための実用的な技術が集められ、研究、研鑽されて来た。そして、それらを日々鍛錬し続けること。これが武道であり、すなわち太極拳である。

現在、多くの人が太極拳に親しんでいる。化粧をして綺麗な衣裳を身に着け、音楽を流しながら練習、演武を行っているのを見かけるが、その多くは体育であり、健康法の色が強く、趣味娯楽で行う踊りと何ら変わりがない。これは格闘技から次第に健身、または体育科目としての心身の鍛錬、修養から芸術表現となってしまっている。

今日の現代社会は平和ではある。しかし、生活のリズムは速く、心と身体のストレスが溜まり易い。身体と心のバランスを整えるために音楽を聴きながら太極拳の動作を行うことは、健康増進の手段として心身のリフレッシュにはなるだろう。これは平和な社会から生まれた新しい運動である。実際それは健康や心の癒しに効果があると言われているし、それを否定するつもりも勿論ない。しかし、それとは別に太極拳の原点、本来、本質をどこまで理解しているのか。この点は認識、自覚すべきである。

太極拳は、体の外部と人間の内在が身体に一体となり、技とする。外部とは、身体の動き、動作の規格、リズム、速度などで、内在とは、動作の用法、志、呼吸、理念などである。動作の用法、志、理念を真髄に構成して、魂となり、訓練を通して、真髄、魂を身体に浸透させる。そして、動作を通して、身体の精技（注1）、血気、呼吸、心神、神志を鍛えて、神髄の道へと上達して行く。いざという時、自衛術、格闘技として身を守る役目がある。これが武道であり、太極拳である。

（注1：粗雑さや悪い癖が無い純粋な技）。

太極拳を習得するに当たり、そのレベルは五つの段階に分けられている。

一、有形無意；二、有形有意；三、形意気合一（形神合一）

四、有意無形；五、随心所欲

―略―

第二章:　－技法篇－

・簡化二十四式太極拳・

及び

簡化24式太極拳動作の全用法を解釈!

太極拳の伝統的な流派は陳式、呉式、孫式、楊式、武式などがある。各流派の套路は重複動作が多く、長い。

今、世界で最も普及している太極拳は簡化二十四式太極拳であり、簡化二十四式太極拳は中国国家体育委員会が国民の身体鍛錬、体質増強のために有効な手段として、1956年に発表した簡略化された套路である。24の動作にまとめられているため、通常、二十四式太極拳と呼ばれている。

二十四式太極拳は"動々有法，法々有用（どの動作にも用法があり、全ての用法が使える）"であり、技が濃縮しており、とても実用性がある。その特徴は、簡潔、単純、瞬間、即効である。

動作は用法によって形成されている。つまり形の根拠は技である。よって用法が理解できれば動作の規格などがさらに正しく表現できる。

私達は各動作の用法と意味をよく理解し、日々の練習で意識的に動作に用法を表現し、意撃で訓練を行わなければならない。動作を味わいながら用法を動きの中に托して訓練を行う。太極拳の本当の面白さはここからスタートする。 

身体はやや起こし、左膝を曲げながら挙げ右腿の内側におく。右手は前に挙げ目の高さ、左手は前腕の上に置き、掌心は面部に向ける(ｔ-1)。

左足を左前に出し(ｔ-2)、続いて重心を前に移し左膝を曲げ、右腿を伸ばして左弓歩となる。身体をやや右に回し右手は頭の前上に挙げ(架)、掌心を右前に、指先を左に向ける。左掌は左前に推し出し、掌心を斜め右前に、指先を上に向け、目は左手を見る(ｔ-3)。

要点：架掌と推掌する時に背中の筋肉は緊張しないようにする。両肘をやや曲げ沈肩、墜肘する。

二十、閃通背（サントンべィ）

相手が右足を一歩前に出し、右拳で自分の鼻を攻撃してきた際、自分は右前腕を架け掴みながら、防ぎ、左掌で相手の右脇（12肋骨部）を暗勁で打つ(Ｔ-1.2.3.4)。

―略―

書籍タイトル

【太極拳の奥義・真諦】書籍＋ＤＶＤ　　　　　価格：2,700円(税込み)

ＤＶＤ部分鑑賞：https://youtu.be/11uJjNlPW_Q

書籍注文について

連絡先：東方商事　

〒301-0032茨城県龍ケ崎市佐貫1-9-5

電話：0297-66-6026　　　　　　　　無料FAX：0800-100-1040

メール：info@toho-japan.co.jp　

ホームページ：https://www.toho-japan.co.jp　　　　担当：吉野　輝栄